エアームドを愛したい

考えまとめみたいなの

勢いだけで入った会社を、勢いだけで3年で辞めた話。

就活失敗談というより、何を基軸として生きているのかはっきりしておかないと心は簡単に壊れるという話です。



2018年3月 大学3年生


就活が解禁されました。この時僕自身には実家の三重、大学生活を送った岩手県という生活の拠点にできそうな土地が2つありました。


三重で考えていた主な理由は実家事情でした。僕には姉や弟がいるのですがそれぞれ進学だったり就職で実家から離れており(離れるリスクがあった)実家にいるのは祖母、父、母、年の離れた妹の4人という状況でした。僕自身はその中でも長男であるため、昔からなんとなくで実家に戻らなければならないという気持ちがありました。


一方、岩手でも就職は考えていました。大学生活が楽しくてその時にできた友人や岩手でポケモンカードを初めたこともあって確実に人生の基盤は岩手にありました。また、この年の5月から片想いしていた女性(後ののえ)と付き合うことになるのですが、相手はまだしばらく岩手県にいるためいきなり遠距離になるのはあまりよくはないと考えていました。


色々考えて、年の離れた妹が直に受験だし親もそろそろ還暦を迎えるためやっぱり実家を支えるしかないかと三重で就職をすることにしました。
当時付き合っていたのえとは3月で別れる約束をし、アメマケも自分が勢いで作った手前解散はせずそのまま置いて岩手を離れることにしました。


就職先はとりあえず親を安心させておきたいという気持ちから、三重県民なら誰でも知ってそうな会社の総合職に決まりました。企業の名前としても規模としてもこの先ずっと安泰だろうと思っていました。金融業界であり、世のため人のために頑張るぞ〜〜という気持ち。この時ろくに業界勉強もせずに就職したため、いろいろなギャップに悩まされたり悩まされなかったりします。
今思えば、岩手(東北)は4社受けたのに、三重はここ1社しか受けていなかったので心のどこかではやりたいこと全部できていた岩手に残りたい気持ちはあったのかもしれません。



2021年3月 社会人2年目

だいぶ話が飛んで3年後の話。就職してしばらくは実家に住んでおり、三重でポケモンカードをしていました。仕事自体は苦ではなく、趣味もそこそこできていたため生活自体はそれなりには満足していました。
ちょいちょい岩手県に遊びに行ったり、ポケモンカード関連の大会で岩手勢とも会えていたので懸念していた寂しさはそこまで感じませんでした。オンラインの交流も活発だったのが救いでした。(岩手での就職先は新卒は遠方へ行くという話を聞いていたので、ある意味どっちに就職していても岩手勢とはポケモンカードは頻繁にはできてなかったかもしれません。)
3年前に考えていたことで唯一違ったのは当時付き合っていたのえとは別れておらず、この3月から三重での同棲が始まるということでした。岩手から大卒で三重に就職、すべてを置いてきて来た覚悟が自分とは全然違い、なんて適当だったんだろうと反省しました。

※親にある日なんで三重に戻ってきたの?って言われて上記のことを説明したら、「別にそんなことせんでいいのに」と言われて心が折れたエピソードがあります。


2021年 10月


新生活も慣れ結婚もぼちぼち考えながら生活をしていたり、ポケモンカードもぼちぼちやっていました。

仕事関係で言えば職場の先輩が2人転勤になりました。その2人は今の職場も遠方だったのに、さらに遠方への転勤でした。加えて奥さんが妊娠中という状況でした。前々から職場の人から「結婚したら遠方」「家立てたら単身赴任」という話(というか感覚的なもの)は聞いていたため、まるで次はお前の番だと言われているような気分でした。昭和やな〜〜〜。



2022年1月


先輩たちのことを憂いてたら転勤しました。県内ではあるのですが、住んでる場所から片道1時間半。公共交通機関の関係で8:45始業なのに6時半には家を出て、定時に上がっても家には19:30くらいにつく。バグ?

配属先を聞いて1番の懸念はポケカをする時間が消えること。上記の時間での生活になるのでそっから飯食って風呂入ってとか家事してたら時間はないし、自己啓発(笑)の勉強もあって生活はまあまあ圧迫される。しかも配属先は営業熱心(笑)のため残業がまあまああり、19時半に家についてればいいほうなレベルでした。

当然ジムバトルは参加できず、フラストレーションは溜まるばかり。


ちなみに結婚して子供がいる同期が配属先にいたのですが、会うたびに「仕事辞めてぇ…」って言ってたのでこれが自分の将来か…と常にビビっていました。



2022年2月


ポケカのことばっかり心配していたら家でやばいことが起こってました。

のえ邸では常に家の中がギスギスしており、お互いが家で顔を合わすたびに喧嘩をしている状況になっていたのです。
僕自身も何故こんなにストレスが溜まっているのかよくわかってないまま喧嘩をし続ける状態でした。

2月頭に一瞬お互い冷静になれる機会があり、そこでのえから、
「最近常に苛立っている」
「転勤してから余裕がなさそう」
「そもそも私とほとんど喋ってなくない?」
との指摘が。

そう言えばここ最近まともにコミュニケーションを取ったかと言われるとそうでもなかった気がしました。ポケカできないストレスに加えて同居人とコミュニケーションも取れておらず家で気が休まらないため、喧嘩が起きるという負のスパイラルでした。

転勤してからのえが起きるくらいに家を出て、帰ってきたら疲れ果てて寝る。そりゃ会話してへんわ。

転勤したてのため業種的にもあと2-3年はここの職場に通勤が続くことが予想でき、次の転勤先が家に近いとも限らないため、具体的な解決策がないとやばい。
ここから先は仕事を続ける、のえとの関係を壊す、自分の心を壊すかみたいな選択肢でした。

のえがわざわざ慣れた土地を離れてここに来たこと、自分自身がポケカをできてないと息抜きができてないこと、金融業界の将来性云々を考えた結果、退職を決意しました。
僕は家庭を取りました。そもそも生きるための土台を見失うところでした。

退職を決意するまで、「今はまだ新環境に慣れていないだけで実は後3ヶ月したら落ち着くんじゃないか」「ポケカする時間を全部のえに当てたらいいんじゃないか」「そもそも職が見つからなくて無職になるんじゃないか」とかの葛藤があり、結構時間はかかりました。
そのたびにのえと今後の方針を話し、のえから「無職でも数カ月は大丈夫だから転職先決まる前に退職していいよ」とか「ポケカやめてまで私に時間は割かなくていい」とかの有難い言葉に背中を押された感動エピソードがあります。
よくweb漫画に出てくる理解のある彼氏(夫)が支えてくれて〜の話がこれに当たります。あったけぇ…

人間関係に恵まれていたため、近くに転職マスターのきとう(新婚。今年パパになる愛妻家)がおり、転職あれこれ聞けたのも大きかったです。というかきとうが家族サービスの鬼なので、今後どうやって仕事と向き合って行くべきかとかとても参考になりました。サンキューきとう。


色々考えながら死にかけている同期と自分を比べると、まだ自分は引き返せる(子供もいないし結婚もしていない)ので、リスタートはまだ間に合うという感じ。
知り合いに新婚なのに名古屋配属になった人とか、新婚なのに松阪から1時間以上かけて通勤してる人とかいます。自分にはできないのですごいなと素直に尊敬しました。ここまでいけば割り切れるかもしれませんけど今の段階では無理です。


そこからの動きは早く、転職アプリを入れたり上司に退職の旨を伝えました。

※このへんでお決まりの引き止めの話があったりします。通勤が苦痛だと上司に伝えたところ、「近くに引越すとかあるやん。」って言われました。その引越費用どこからでんの?御社住宅手当ないけど?みたいな返事したら何も言われませんでした。
店長からは「うちいい会社やし勿体ないよ〜」と言われました。その勿体ないで俺は将来と心壊しかけてるけど?



2022年3月

何やっても「いや、俺仕事辞めるしな…」の精神のため無敵に。残業もすべて無視し毎週1日は休むナメプをかます(まだ4月からの就職先が決まってなかったためそれのケアです)。先輩にめちゃくちゃ心配されたが上司からまだ退職のことは言うなって言われていたので適当に濁してました。
そして下旬に店長から正式に退職のアナウンスがされ、その週で退職となりました。


退職金は色々控除されて約2万8千円でした(冗談抜きで)。ウッウロボ2枚買ったら消えました。社会人3年目の退職金ってリアルこんなもんなんでしょうか。



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終わりに

ここまで追い込まれてようやく自分が思いの他家庭を大事にしていたこと、ポケカくらいでしか息抜きができない不器用な人間だと気づけました。大学生で就活始めた時は全く何も考えてなかったので3年でここまで思考が変わるというか、イレギュラーすぎる自体は予想できてませんでした。家庭を優先するために仕事を辞める話はなかなか理解されにくく、元上司や元店長、親から理解を得られず難色を示されたり反対はされましたが、自分の考えで何が大事かを明確にできただけ良かったと思います。(家庭を顧みない父親、嫁いできたにも関わらずあまりサポートを受けられなかった母親を見てきていたのでそうはなりたくないという意識があったのかもしれませんが。)
人間は仕事をするために生まれてきたわけではなく、家庭を大事にしながらポケカをするために生まれてきたので仕事は後なんですよね(?)


新しい就職先は家から近く(のえと方向が同じなのもポイント)、近くにポケカ公認ジムが2店舗あるためしばらくは生きていけると思います。
相談に乗ってくださった方々、心配してくださった方々本当にありがとうございました。







おまけ

会社辞めるって同期に言ったり、インスタに投稿したら「おめでとう!」「羨ましい!」などの称賛の声をいただきました。羨ましいはこの業界終わってませんか…?